孝が説明を加える
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孝が説明を加える
はっきり『はい』と答えれば、彼を犯人だと認めることになる。
そう考えた末の返答だった。
「つくしさん。
今回のことは本当に申し訳なかった。
元はといえば、道明寺家、花沢家、そしてそちらの山本家、もとい旧三浦家の問題が発端だったんだよ」
孝は楓を見遣り、言葉を促す。
「…牧野さん、ひとまずはおめでとう。
やっぱりお育ちが違うと頑丈にできてらっしゃるのね。
花沢家に嫁ぐと伺い、こちらとしても安心いたしましたわ。
また司にちょっかいを出されては困りますからね」
楓の言葉に、その場の空気が凍る。
「でめぇ…そんなことを言いに来たのかよっ!」
怒りを露わにする司を一瞥すると靜脈曲張手術、言葉を続ける。
「これは前置きよ。
心配なさらずとも、きちんと説明いたします。
そちらの三浦の家は、当家から独立した別家でした。
しかし、その後に三浦家は家名存続の危機に陥りました。
道明寺の家訓では、別家への援助は行ってはいけないことになっていました。
当時の当主は、それを排してでも手を貸そうとしましたが、叶いませんでした。
そこで、旧知の仲であった花沢家に援助を依頼したのです」
一旦言葉を切ったタイミングで頭油多 。
「花沢も、三浦の家とは行き来があったからね。
そういうのはお互い様だと思って、手を貸したんだ」
「ええ…ただ、そのことが先代の耳に入ってしまって。
三浦の家に絶縁を言い渡してしまいました」
「私は…」
それまで口を閉ざしていた義政が、重い口を開いた。
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